ブルガリアの弦楽器
ブルガリアの弦楽器
2017.5.14 sun
弦楽器の生まれる土地といえば、イタリアの町クレモナが有名です。
弦楽器づくりにおいて輝かしい歴史をもつクレモナには世界各地から製作技術を学ぶために製作家が集います。
彼は、故郷であるブルガリアとクレモナでの製作活動を通して、クレモナの正統派をブルガリアに伝え、新たな製作家の指導に情熱を傾けてきました。
Kazanlak音楽学校
西洋が遥か遠い国であった時代から日本へ良質な弦楽器を運び、多くの演奏家に届け続けてきた丸一商店が、弦楽器を通してブルガリアの魅力を皆様にご紹介。
パーティでは現地の食材を含め、ブルガリアの食べ物やワインをふるまい、ブルガリでの製作現場やバイオリンにまつわるお話しを、写真などとともにご紹介しました。
ブルガリアはバラの香料や、刺繍など、ヨーグルトだけでなく色々な特産品を持つ国です。
弦楽器製作家 エドレフ夫妻
Edrio Edrev(エドリオ・エドレフ)氏
プロフィール
1998年 カザンラック ブルガリア弦楽器製作者協会会長就任
1999年 Baveno(イタリア)国際楽器製作コンクールヴィオラ第3位
2011年 Pisogne (イタリア)国際楽器製作コンクール審査員
2013年 Liuteria ANLAI Milano (イタリア)国内楽器製作コンクール審査員
2015年 第6回 ANLAI国際楽器製作コンクール審査員
2017年 Sesto Fiorentino国際楽器製作コンクール審査員
絃楽器
ブルガリア共和国の作家たち
丸一商店は、1937年の創立以来ヴァイオリンを中心とした絃楽器の輸入販売を手掛けて今日に至ります。近年、多くの個人作家との交流の中からブルガリア共和国の各地で活躍する優れた個人作家の存在を知るに至りました。
丸一商店の工房を担当する鈴木郁子は、ヴァイオリン製作で有名なクレモナにあるイタリア国立国際楽器製作学校の卒業生です。イタリアでの修行中に多くの作家と親交をあたため、数百年の歳月を経てもなお脈々と生き続ける技術、新たに生まれ続けている新作楽器、そして製作家たちの生きた声を、遠く離れたアジアの国、日本へと伝える架け橋となってきました。
その旧知の交友のなかに、イタリアのクレモナとブルガリアの両地を拠点として活躍する絃楽器製作家である、マエストロ エドリオ・エドレフ氏がおられます。エドレフ氏が、「ブルガリアにも優れた新作楽器があるので是非紹介したい」と鈴木郁子に声を掛けられたのが、丸一商店とブルガリアがつながるきっかけとなりました。
マエストロ エドリオ・エドレフ氏は、ブルガリアの楽器製作工場に勤務の後、イタリア国立国際楽器製作学校を卒業し、クレモナで修業を続ける一方で、故郷カザンラックの楽器製作学校でクレモナ派の楽器製作を教え始めました。現在ではカザンラックにも工房を持ちクレモナと行き来しながら楽器製作に勤しむと共に、後進の指導に尽力しています。
鈴木郁子がマエストロの案内で初めてカザンラックに作家たちの工房を訪ねたのは、2010年。クレモナの伝統がしっかりと受け継がれていることに驚きと喜びを感じ、以後は毎年ブルガリアを訪れ作家と意見を交換し親交を深めています。
丸一商店は、今後も作家の作品とともに、クレモナからブルガリアに受け継がれ開花した絃楽器製作という文化を多くの日本の皆様にご紹介していきます。ブルガリアの豊かな風土と、一人一人の個性あふれる作家たちの素朴な人柄、そして確かな技術から生み出される上質なヴァイオリンの音色を、一人でも多くのプレイヤーの方々へお届けいたします。
ブルガリアのヴァイオリン
弾き比べ
演奏協力:谷本華子
●Radiana Edreva
●Edrio Edrev
●Plamen Edrev
●Stoyko Chobanov
●Plamen Petrov
●Todor Penev
谷本華子
桐朋学園大学ソリストディプロマコースを経て、カナダ・ブランドン大学へ留学。シェーンヴァイオリンコンクール第1位、カナダナショナルコンクール第2位、大阪府知事賞、クリティッククラブ音楽賞、21世紀協会賞、ほか多数受賞。1999年~2007年、サントリー株式会社より1751年製作トマーソ・カルカッシの貸与を受ける。
ピリオド楽器を用いた古楽の演奏にも意欲的に取り組み、バロックから現代まで時代の枠にとらわれない音楽活動を行う。
現在、ソロや室内楽を中心に長岡京室内アンサンブル、いずみシンフォニエッタ大阪、ZAZA quartet、Ensemble ZAZAのメンバーとして活動するほか、兵庫県立西宮高校音楽科非常勤講師として後進の指導にも努める。